6.母親による娘への嫉妬と攻撃
ある夜、母親は水商売の仕事へ行き憲はその日バーテンダーの仕事は休みだった。
姉はもう中学生になっており柄の悪い先輩とつるみはじめており、家に帰らない日もしばしばあった。
それに対して母親は何も干渉していないようだった。
そして憲と二人で過ごす夜、暑い夏の夜であったためリビングはクーラーを入れていた。
憲は部屋に行くとエアコンが効いていないため、このままリビングで一緒に寝ればいいと言った。
私達は布団もないリビングでタオルケットをかけて一緒に眠った。
翌日憲が母親にそのことを言い、私が寝返りをうった際キスしそうな距離になったという状況を笑いながら話したそうで、これに母親は怒り狂った。
そして、その怒りの矛先は全て私に向けられた。
「人の男に何してんの?」「色目使いやがって!」
私はわけがわからなくなった。
松山さんの時はおやすみのキスを母親から要求された。一緒にお風呂に入れと言われた。
全て指示に従ってきたんだ。
そうすれば母親が喜ぶと思った。母親の男と仲良くしなくちゃいけないと思った。全ては母親のためなのに。
私はこの頃から母親の人形という立ち位置から嫉妬の対象へと移り変わっていった。
全ては私が望んだことじゃなかったのに‥。
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